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息子LOVEな暴走機関車であり、もし彼に危険が迫ればその身を焼かれようとも命懸けで守り抜くことだろう。
見た目が若くスタイル抜群の美人なのだから尚のこと質が悪い。
え?父親?何それ食えんの?
「じゃあなんで出て行くの?……あ!わかったわ!」
「?」
「わざわざゴム買って来なくても生でオーケーよ」
「なにが!?ねぇなにが!?」
舌なめずりする母親から距離を取りつつ駆は本能的に悟った。
このままでは自分の大切な何かが奪われる。
小学生頃までは親の冗談だと鈍感を発揮して受け流していたが、中学に上がる頃にはアタックもエスカレートしていき流石に理解せざるおえなかった。
奴は本気だと。
普段ヒロインからのアタックは受け流してばかりの駆だが、母親からだけは本気で逃げている。
そして今日も……。
「い、今から友達と遊んで来るから離して!!」
「もう……そんな嘘までついて私の気を引こうだなんて……」
「ポジティブ過ぎるのも問題があると思います!!あ、ちょっと!?足!足離して!!」
「うふふ……縄も目隠しもローションも玩具も鞭も猿轡も媚薬も全部揃えてるわよ?早く愛の巣へ一緒に旅立ちましょ?」
「父さんが汗水垂らして必死に貯めたお金でなんてもん買っちゃってんの!?……こ、こうなれば……最後の手段!!」
今から戦場へ赴く戦士のように覚悟を決めた駆は、瞳を卑しく潤わせている母親の肩をガシッ!と掴む。
息子のマジ顔に念願の夢がようやく叶うのかと目を見開きながら口を大きく開ける凛々へ向けて……。
「ま、ママ大好き!!」
――
凛々はその後鼻血を垂れ流しつつも幸せそうな表情で気絶し、駆は5分ほど自己嫌悪に陥りながらもようやく脱出に成功した。
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