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「……やっぱり虹は世界中の誰よりも僕という人間を理解してくれるよ」
つまりは全てこの日の為の仕込み。
打ち所が悪くて角筈乃々が死んだとしてもその時はちゃんと警察から言い逃れる自信はあった。
王道主人公を壊す。
それはただの興味から来る計画。
「本当に素敵よ詩音……警察に捕まることを微塵も気にしないその度胸と、他人の命を危機に晒す行為を躊躇いもなく行うその傲慢さが……」
「照れるなぁ」
何気ない会話の何気『ある』中身。
2人は通行人の目を気にすることなく、隠しもせずに犯罪ギリギリの話を交わす。
それこそが2人を繋げた『絆』なのだから。
だからこそ2人は人を傷付けた計画を『楽しそう』に語りあった。
「ちなみに詩音の初恋はいつなのかしら?」
「まだだよ。僕は子供の頃からおかしかったらしいからね」
「へぇ……ま、私もだけど」
「もしかしたらこれから先虹が初恋の相手になるかもね」
何気ないいつもの軽い口調で放った冗談なのだが、虹は不敵な笑みをキョトン顔に変えた。
そして微妙にだが頬を朱に染め、心を落ち着かせるように自分の耳を忙しなく触りながら目を反らしつつ、唇を尖らせながらボソリと呟いた。
「………………」
「ん?今何か言った?」
「……ちょっと……ドキッとしちゃった……」
「……へ?」
「……だから……もしかしたら……フラグ立ったかも……」
「すいません。虹の姿をした貴女は誰ですか?」
よく分からないが2分ほど虹は一般的ヒロインに『成り下がった』。
そして2分後、元に戻った時は本当に安心した詩音なのであった。
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