#0、事情

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無理もなかった。 事情により、学園を休まざるを得ない日々が続くセルにとって、<一般>の友人など皆無に等しい。 そんな中、共に学園生活を送る人物といえば… 「セル、おはよう。どうして俺をおいていった?」 皆より少し遅れて登校したこの男、[天風快斗(アマカゼカイト)]。 耳と首の後ろが隠れる程のやや長めで朱色の髪をしている。 何時も冷静さを欠かさない快斗は、セルの隣に腰を降ろした。 「お前をおいてったのに理由はねぇよ。ただ、今日は一人でいたかったんだ…。」 セルは膝に肘をつき頭を支え、冷めた口調で言った。 「………ふーん。」 またそれに、興味なさげに答える快斗。 ふと昇降口に目をやると、さっきまでの人だかりはなくなっていた。 あ、空いたよ。 快斗がそう言うと二人は立ち上がり、ゆっくりとクラス振り分け表へと近づいていくのだった。
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