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そんな人間を一人でも多く救い、助け合うことがこの寮の掟。
同じ痛みを知るからこそ手を差しのべる。
それは一種の恐怖であり、家族が増える楽しみでもあった。
「場所は特定されていないが、ワットライン付近の渓谷で目撃されている。恐らくワット国を追放されたんだろう…同盟の結ばれていない国だから、身の回りには気を付けろ。」
「「了解。」」
出発は明日の昼からとなった。
能力者には表と裏の顔が要る。
表から裏が滲み出た人間は、廃れた表の顔を捨て、偽りの表を作らなければ生きていけない。
もしそうしなければ、かなりのサバイバルを生きなければならなくなる。
それには膨大な力が必要となり、たかが14の人間が身に付けることは不可能だ。
この時、セルの心には闘志が芽生えていた。
自分よりも一つ下の人間に、ここの暖かさを教えてやろうと…
B型の血は巡りをよくした。
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