算数と立派な大人

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ある日、算数の授業でどういった内容かは覚えていないが俺と辻村だけが問題を解けず、黒板の前で晒し者のように立たされた。 勉強が出来ない俺等には立ってネチネチ言われる事よりも、座って勉強する事が必要だろう! 中川先生は言った。 「お前らは宿題すらしてこーへんし、小学三年生のドリルから勉強し直した方がいい。大人になってから困るのは自分やで!」 俺は算数が出来ない事で大人になったら困るシーンがイマイチイメージ出来なかった。別に反抗する訳でもなく先生に問いかけた。 「先生!算数とか電卓には勝てへんで!レジのない街の八百屋さんとかになる訳ちゃうから俺はええねん!大人が三角形の面積求めるシーンてどこですか?」
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