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その後は不満を抱えながらもおとなしく剣道に通っていたが、練習がまったく楽しくなかったし
丸山先生や先輩に憧れを持つ事もなかったので日に日に辞めたいという思いが募っていった。
ただ親に辞めたいと話をしたところでオカンに
「あんたは根性ない!何事も辛抱強く最後までやり抜きなさい!」
と言われる事は分かっていたので俺は言葉にしなかった。
いつも思うのだが、最後までとはなんなのだろう?
特に目標があるわけでなく、ただ小学生を卒業するまで我慢し続ける事が根性があることで立派な事なのだろうか?
親父は本当に糞真面目で仕事熱心だったが、酒を飲むといつも仕事はしんどいし、おもしろくない、とよく愚痴をこぼしていた。
九歳の俺にはオカンの言葉や親父の愚痴は「人生や仕事は辛抱することで楽しいものではない」との悲しい悟りのような諦めのメッセージにしか聞こえなかった。
俺はそんな人生を歩むのはごめんだ!俺は俺の望むように生きていきたい!
家にいるから親の言うことを聞かなければいけない!
家を出て自力で暮らしていけたら俺は俺の望むように生きていけるはず!
俺と村山は家出を決心した。
いや村山に関しては無
理やり巻き込んだような気がする…
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