見当違い

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「総隊長…休憩にした方がいいんじゃ…。」 と 林君がおそるおそる進言してくる。 私は改めてその視点を二人に据えた。 餓鬼は肩で息をし,膝に手を竹刀に土をつけている。誰が見ても疲れ切っているという状態だ。 「真剣でもう一回。」 頬杖をつき変わらぬ姿勢で放つ。 「真剣でですか?!」 「えぇ。自分のを使いたくないというのなら小太刀貸しましょうか?」 「…いえ。」 林君にだけ真剣を持たせ対峙させる。 力が抜けきり,ない頭がさらに空っぽになっているおかげか… 先程まで躓いていたような攻撃はするりと回避し,繰り返しさせたおかげで隙の幅が狭まる。 「やめ。  やればできるんだからさっさと身につけろ。」 「う…うるせぇ…!!俺にかかれば…このっ…くらっい!!」 林君は苦笑しながら刀を収める。 腰を下ろさない意地だけは残っているようだが… 「休憩したら素振り。6000だからもたもたしてっと日が暮れっからな。」 「ろ…ろく…」 ガクリと項垂れている。 「“男”なら誤魔化すことなく日暮れまでにきちんとやりこなせるよな?」 「当り前だっ!!俺をっ誰だと思ってやがる!!」 がばりと顔を上げ拳を握る。 コイツは…なんというかものすごく扱いやすい。 「流石だな。その意気に免じて特別に8000にしてやろう。」 「ホントか!!」
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