見当違い

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きらきらと光を放つようにやつれた表情が華やいだ。 うん。実に好い表情だ。 林君は緩やかに顔がにやけていく。 「あぁ。間違うんじゃないぞ。」 「判ってる!!8000だ…  …………んなぁ?!増えてんじゃねぇか!!」 おそ…。 「男なんだろ?二言は無いよな?」 「ぁああ!!くそっっ!やればいいんだろ!やれば!!」 にやりと促すとムキになって叫び始める。 「明日動けなくなったら罰則な。」 そこまで言い切ると立ち上がる。丁度総司が蜜柑を二つ抱えてきたので一つ放った。 ヒョイッ 「林君お礼です。迷惑かけました。」 パシッ 「…いいんですか?もらって。この位なんてことありませんよ。」 膝をついている餓鬼の存在も忘れてその差をさらりと見せつけてしまっている林君に笑みが漏れる。 …私のせいで丸くなったらしいけど,よくよく聞くと結構さくっと林君も切り裂く類の人間だ。 「もう一個ありますもんね。」 総司が渡してきたので再度握り直させる。 「やる。」 「食べないんですかー?」 「俺じゃねぇのかよ!」 ───なぜお前にやらねばならんのだ。 「甘いものって食べ始めると止まらないんだ。」 「「わかりますっ!!」」 「美味かったんだろ?」 「「はい!!」」 おや。林君も食べていたらしい。
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