見当違い

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「戻ってそうそう瀬那節が炸裂してんなー。」 見ていたらしい佐之さんが寄ってくる。 「今晩は一品添えますから。」 にこりと見上げると佐之さんは頬に朱を指して喜ぶ。 「ホントか?!」 「えぇ。少しだけですけどね。」 そういうと一瞬考えた佐之さんに引き寄せられた。 「っと…」 ガシッ 「(土方さんが焦がれてまってんぜ。)」 「(まさか。)」 何故か肩を抱かれ耳打ちするように声を潜めあう。というよりも…のしかかられているのを支えているという状況か? 「(縁談も来てたみたいだからな。)」 「……何考えてんだこの非常時に。」 「(だからこそだろ。お偉いさんが目ぇつけてんぞ。)」 「(それで?どうしたんですか?)」 「(今謝絶と共に近藤さんが二条に走ってる。)」 「その言い方じゃそのために走ってるみたいじゃないですか。」 「(……そうじゃねぇけどよ。)」 ミシッ… ―――あ。トシが接近。
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