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ドタドタドタドタドタドタっっ!!
「土方さん!!土方さん!!!!」
荒い足音と共に聞こえてくるその叫び声に俺達はすぐさま身構えた。瀬那は鋭い眼差しを携え襖を開ける。
スッ―――パンッ!!
「大変だ!!」
血相変えた新八が開いた襖を更に開け放ち部屋に飛び込んでくる。
青ざめているともいえるその表情に,先程まで抱えていた温もりを失っている俺には入り込む風がその存在を見せつけるように全身を撫でつけていく。
「近藤さんが!」
「…どうした。」
「近藤さんが撃たれた!!」
「んだと?!」
「石井と久吉は討ち死にした!!来てくれ!!血がとまんねぇんだ!!」
新八は瀬那の腕を掴み走り出す。俺もすぐにその後を追った。
バタバタバタバタバタ
「容態は?」
「右肩から出血!顔が青白ぇ事くれぇしかわかんねぇ!」
「馬から落ちたわけではないんですか?」
「あ?いや馬に乗って戻ったんだ。俺達じゃわかんねぇよ!」
「銃で撃たれたのか?」
「あぁ!話によれば御陵衛士の生き残りだ!!」
その言葉に俺と瀬那は顔を見合わせる。
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