771人が本棚に入れています
本棚に追加
―――…何があっても行く気はねぇな。
先程安心したはずなのに,またも少しばかり安堵してしまう。
『私は何処にも嫁ぎませんから。任務であるならきちんとした命を下してください。っとに半端なんだから…。』
―――…恐らくどこにもいかねぇ。
「瑞人さん縁談があったんですか?」
総司が再びこてんと首を傾げ問うてくる。
「…まぁな。」
ため息を吐きながら手にかけていた襖を開いた。
スッ―――
開けた瞬間ばっちりと瀬那と目が合う。
―――まぁ気づいてたんだろうが…。
ふっと笑うと俺から後ろへ視線をずらした。
「無事で何よりだな。総司。」
「判りやすかったのもありますかねぇ。」
肩を竦める総司に皆笑みを漏らす。腰を落ち着けると瀬那は真っ直ぐに放った。
「総司。お前近藤さんの護衛に着け。明日の朝一番で大坂に発つ。」
「おい。」
そのつもりのなかった俺には寝耳に水だ。
「勝手に決めてんじ「任せてくださいっっっ!!!近藤さんの命は僕の命に代えても!!!」……はぁ。」
総司は瞳を輝かせている。
最初のコメントを投稿しよう!