鳥羽・伏見の戦い

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近藤さんの護衛として総司他数名の隊士達を大坂へ急ぎ送り出した、翌日… 薩摩藩の兵に対して発砲したのだと緊張状態になった。 それぞれ兵をあげてきているとはいえ、未だ開戦はしていない。 にらみ合いの状態のまま三日が過ぎた…。 「面は割れたか。」 「いや…。私はうちの人間じゃないと思っている。」 ダンッッッ 「くそっ!!!」 トシはその拳を床にたたきつけた。 このいつ開戦するかわからない状態で、軍備を無駄にすることはできない。常時稽古や演習は変わらず行わせてはいるが普段のそれより当然落としてある。銃砲を使うとしても、当然「空砲」だ。 ということは奉行所に詰めている他の兵が発砲したか…そうでなくては間者、ということになる。 近藤さんが漏らしたように、東軍の中に事を荒立てずに済ませたいという輩がいないわけではない。近藤さんが出立する前、会津藩から見舞金とともに現状待機の申し付けがあったことをしらされている。 新撰組対薩長などとあってはならない。
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