4401人が本棚に入れています
本棚に追加
また、朝が来る。
エレベーターホールで彼の背中をじーっと眺めながら、昨日のことを巡らせて。
ううん、だめ。
余計なことは考えない方がいい。
自分が破滅に向かうだけだ。
「おはよう」
私は驚いて両肩が上がる。
振り向くと声をかけてきたのは笛吹主任で。
「あ、おはようございます。昨日はごちそうさまでした」
深く頭を下げてお礼を言った。
「こちらこそ楽しかったよ。また機会があったら誘ってもいい?」
「あ、の…」
どう答えたらいいのかな。
これって社交辞令だよね?
「はい、是非」
私は朝にしては明るすぎる声で返事をする。
最初のコメントを投稿しよう!