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笛吹主任は「やった」と弾けるような笑顔を見せた。
……無邪気。少年のようだ。
そんな笑顔を見せられると、私も自然と顔が綻ぶ。
「高久さんは相変わらず出社が早いね」
「そうですか?電車の時間でこうなるだけなんですよ」
なんて、ウソ。
私がこの時間を選んで出社するのは、もちろん修ちゃんと会えるから。
その修ちゃんに、私たちの会話が聞こえてるのかもしれないと思うと、そわそわしてしまう。
エレベーターはこんな時に限ってなかなか来ないし。
「笛吹主任も早いですよね。あ、今日は遅いほうですか?」
いつもの笛吹主任なら、とっくに席についてる時間。
「僕も今日は乗継で1本遅れてね。でもこの時間だと高久さんと一緒になれるみたいだから、今度はこの時間にしようかな」
さらりと言ってのけるから。
私は返事をどう返していいのか困って笑って誤魔化す。
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