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私はそんなかおるさんの横で、コソコソと着替えをして。
「高久さん、昨日笛吹主任に誘われてなかった?」
「あ、あぁ。打ち上げですよ。新人指導が昨日で終わったので」
「ふ~ん。で、なんか進展とかあった?」
眠い目を擦りながら、さりげなく聞いてくる。
「な、何にもないです。あるわけないじゃないですか!」
「そう?」
「そうですよ。やだな~」
実際何もなかったわけで、ウソじゃない。
「じゃあさ…」
かおるさんは表情を変えずに顔をすーっと耳元に近づけ、
「加賀谷主任は?」
「えっ…?」
耳元にかかったかおるさんの息と突然飛び出した名前に、一瞬言葉が出なかった。
「あ、の…」
「な~んてね」
唖然とした私にニヤリと含み笑いをしてから、ロッカーをバタンと閉めて「お先に」と出ていった。
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