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かおるさんは信用できるかもしれない、と妙な確信が生まれる。
それでも、あんな場面は誰かに見られたくない。
修ちゃんに迷惑がかかるのは一番嫌だし。
平静平静と呪文のように呟いて。
私はコーヒーを笛吹主任のデスクに置くと、ようやく落ち着いて自分の席に着いた。
隣では笛吹主任がカップに鼻を近づけ、しきりに香りを確認している。
「今日のは違う香りがする」
「わかります?」
「これ、何ていうやつ?」
「マンデリンだそうです。加賀谷主任からの頂き物なんです。いい香りですよね」
私も始めて飲んだけど、とてもいい香りでおいしい。
「加賀谷…?」
不思議そうな顔で、加賀谷主任の背中に目をやって。
「高久さんは何が一番好きなの?」
「なんでも好きですよ」
「しいて言うなら?」
「しいて言うなら…、やっぱりブルーマウンテンですか。高いですけどね」
実はコーヒーなんて詳しくないから、唯一知っている有名なモノを口に出してみる。
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