第11章 彼の想定外

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「まぁ、本気にしてるわけじゃないんだけどね」 そういうわりに、私の目は見ずにピザが乗った皿ばかりを見ている。 「どんな噂、なんですか?」 うん、と言ったきり黙ってる。 しばし沈黙。 でも。 なかなか切り出さない。 あのかおるさんにしては珍しいから、私の不安がだんだんと強くなって。 それでもかおるさんは考え込んでいるようで。 とうとうしびれを切らして、もう一度問いかけようと大きく息を吸ったとき。 「加賀谷が結婚するって」 あれ?それって。 「あの、その……」 てっきり自分とのことがバレてるんだと思って、顔が赤らぐ。 「山上社長の娘と」 はい?
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