第2章 彼のコーヒーミル

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───次の日の朝から。 笛吹主任とエレベーターホールでかち合うようになった。 無邪気な笑顔は、本気なのか冗談なのか……。 ただ、私の密かな楽しみは奪われてしまったわけで。 大好きな背中を見てうっとりする時間は無くなってしまった。 でも、それよりも。 修ちゃんに、私と笛吹主任の並んだ背中を見られていると思うと寂しくなる。 傍にいるということは、相手を見つめることができる分だけ、自分も見られたくないものを見せてしまうことがあるということ。 今まさにその状況だから、がっかりしてしまう。 逆もまたあり得る? 修ちゃんの見たくない場面。 ……嫌だ。 もう、あんな場面は見たくない。 夢だけでたくさん……。
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