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シンプルな部屋。
モノトーンの家具が修ちゃんらしい。
黒い二人がけのソファの横には小さなサイドボード。
その上に可愛らしい蓄音機の置物が。
ダークブラウンの木箱の上に、金属のレコード盤と音が吹き出るラッパが乗っている。
……オルゴール?
手に取るのは悪い気がして、屈んで覗き込んだ。
あのツマミで音が出るのかな…。
「何覗いてんの?」
着替えを終えた修ちゃんが、シャツの襟を直しながら私の後ろに立って同じように覗く。
振り返ると、久しぶりの私服姿。
爽やか過ぎてクラッとくる。
「あぁ、これ?アンティークだけどいいだろ?」
「うん、可愛い。オルゴールでしょ、何の曲が流れるの?」
「曲?」
修ちゃんは含み笑いをして、その蓄音機を手に取るとツマミを掴んで…。
「あっ…」
それは引き出しになっていて、その箱を引き抜くと私の鼻先に近づける。
仄かに漂うこの香りは……
「コーヒー…?」
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