第2章 彼のコーヒーミル

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「あー…、ほらもうすぐ私の誕生日でしょ。だから…」 「もらったんだ」 歯切れの悪い私に、修ちゃんは無表情。 「んで、誰?会社の人?」 何だか今日はやけにしつこく聞いてくる。 「どうなんだ?」って目が語ってる。 「もしかして…、笛吹?」 ──なんでわかるの? 修ちゃんと目が合って。 ……降参。 かおるさんも修ちゃんも、なんて勘がいいんだろう。 「…誕生日プレゼントなら、もっとマシなもんくれたらいいのに」 しかもかおるさんと同じことを言うから、思わず苦笑いが出た。 「新人指導係からって言ってたから、大した意味はないと思うけど」 修ちゃんはブルマンの袋を私に突き返しながら、 「ホントにそう思ってるの?」 .
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