第2章 彼のコーヒーミル

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真面目な顔で言わないで。 「笛吹が本気だったらどうするの?」 「どうって…」 「ちゃんと考えとけよ。あれだけ態度に出してるんだから、そろそろだぞ?」 そろそろって…。 どういうつもり? 私の気持ちも知らないで、この人はさらりと嫌なことを言う。 「私は…」 持っていたブルマンの袋を無造作にバッグに仕舞って。 「私は、彼氏なんかいらないもん」 少し強い口調で言ってみた。 勘のいい修ちゃんに、何か感じてもらいたくて。 「なんで?」 なんでって。 修ちゃんが好きだからに決まってる。 でも、もちろんそんなことは言えないから、 「修ちゃんこそ、そろそろ彼女くらい作ったら? 男が好きなんじゃないかって噂されてるよ」 「げっ、マジ?」 .
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