第2章 彼のコーヒーミル

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ケラケラ笑って流される。 私はそんな修ちゃんに不機嫌になりながらソファに沈み込んだ。 …そう。 修ちゃんに特定の彼女がいたら、私の恋も終わる。 彼に彼女ができるまでは、私も作らないって決めてるんだ。 これは、諦めの悪い私の賭けだから。 なのに、気配すら感じさせないから、なかなかこの賭けは終わらない。 「花」 「なに?」 私を呼ぶ声が真剣だからつい身構えた。 「背中の傷……」 「えっ?」 「やっぱり、背中の傷が原因?」 思わず修ちゃんの顔を見上げてしまった。 傷のことを彼の口から聞くのは初めてだったから。 「ち、違うよ」 これは半分ウソ。 でも、肯定したら修ちゃんが気にするから絶対言わない。
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