第2章 彼のコーヒーミル

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修ちゃんは悲しげな顔で私を見る。 「俺のせいだな。花が彼氏作んないのは」 …この傷。 やっぱり自分のせいだと思ってるんだ。 「背中の傷は私のせい。修ちゃんは関係ない」 「いや、俺のせいだ」 「違うよ」 「じゃあ、お前が彼氏作んないなら、俺も彼女は作らない」 …なんでそうなるの? それじゃ、今までの修ちゃんの優しさは、私に怪我をさせたからって意味? そのせいで自分は彼女も作らない? 私は修ちゃんを不幸にしてるだけだったの? そんなことって…。 「帰る」 二人でいるのが居た堪れなくて玄関に向かう。 「待って、花」 「待たない。同情なんかいらない」 追いかけてくる修ちゃんを振り切って。 慌ててるからパンプスがうまく履けなくて、足が縺れる。
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