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『是非、髪の毛でお願いします!』
いつまでもはっきりと答えないままでは、己の身が危険と判断した俺は目の前のジルベルトに叫ぶ
マジ怖い‥冗談と言う言葉をこの人は知らない筈だ
「そうですか、色々残念です」
くわえられたままの煙草の灰が風に吹かれて数ミリ落ちた
未だに煙草の熱が頬を掠め、触れてしまうのではないかとちょっとビビる
顔に根性焼きはシャレにならないぞ‥
ス‥
其を知ってか知らずか、後ろに回していた腕を外し
徐に俺の頬を輪郭にそって上に撫でて行く
ブチッ
『いっっ‥』
白い髪をすくい指先で遊ぶかの様に弄ると、数本を予告なく引き抜く
「クロが相手なら、血統でなくとも楽しめると思ったのですがね
とても残念ですよ」
無表情だからこその無機質差を漂わす綺麗なジルベルトの顔が妙に妖しい
絶対、録な事考えてないなこの人
『‥他をあたって下さい』
「他の者では玩具にもなりませんよ。
普通の人間はとても脆いのでいけません、やはり、頑丈で痛ぶりがいのある可愛いげの無い獲物が好みです」
悪寒がする
半端ない氷河期並みの悪寒が‥‥‥
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