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「さて、取り敢えず、用事も済んだ事ですしそろそろ行きますか」
俺の髪の毛を予め準備していた小さな封筒に入れるジルベルト
俺は俺で漸く、自由になった体を伸びをして解す
何気に無理な姿勢を強いられていたせいで筋が痛い
流石、イオンの兄だけあって異質
血は繋がって無いって言ってたけど疑わしいくらいに、気質が似てる気がする
キチガイ臭はするがどちらかと言うと、鬼畜寄りだろうことは確かだな
『余談だけど、今回の俺への接触って事前に仕組んだもの?』
「いえ、偶然ですよ。飛んで火に入る何とやらですね」
何故、そこで日本のことわざ?
コートに付いた雪を手で払う
此からの事を考えると頭が痛いが、毛髪を渡してしまった以上はノエルの件でも何か起きる予感
失われた血統‥‥
ややこしい事になって来たな
しかも、このジルベルトとかイオンにも関係あるみたいだし
本当はこんな大人しくDNAの提供なんてしたく無いとこだけど
車の中には、守ると約束してしまったジェロームがいるので抵抗は断念
ジルベルトが“只の人”だったなら良かったんだけど、生憎、常人でない鬼畜
倒す自信がない訳ではないが、リスクが有るのが頂けない
「行きますよ。いつまで呆けているんですか?
クロは本当にどん臭いですね」
今は大人しくするしかないか‥
『はいはい、今乗りますから待って下さい』
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