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「っ!」
「落ち着け、大丈夫だ、俺がいる」
この何とも言えない緊張感に震えるジェロームの手を後ろ手で取り、握りあう二人
こらこら、何こんな時までイチャコラしてんだよ
空気読めマジで、ストーカーの顔色が更に狂気的なものになったのが解らないのか
このバカップル
「‥‥お前が‥いるから‥‥」
「?」
「お前がいるからジェロームは俺を忘れたんだ!!!!!」
ほら、何か地雷踏んだよ
面倒くさい‥
ジャシッ
何処を歩いて来たんだか、泥まみれの靴が乾いた泥を踏み
一歩、また一歩と徐々にスピードをあげクライブへと走り出す
その手には刃こぼれしたナイフが赤い血を滴らせながら鈍く光る
「しぃぃぃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
おいおい、馬鹿かコイツ?
いるだろ
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ジェローム達のいる場所へ至る道に立ちはだかっている俺が
正に愛は‥‥じゃない、狂愛は盲目
そのまま突き進んで俺を引き殺すつもりかよ
どんだけ~‥
そんな余計な事を考えている間もストーカーは迫り来る
ん?
コイツ‥‥
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