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『建前ってなに?』
「先程、ウィル様もおっしゃられたように目的は貴方。
その馬鹿者は偶然転がり込んで来ただけですよ」
偶然?
俺にはワザと警備を手薄にしたように感じたのだが‥
自分の上司、ボスが来るなら事前に自分の抜けた穴の警備を補充するなり出来た筈
しかし、其もせず、店に侵入され対処を俺に押し付けた
『解せぬ』
“‥‥ろ”
「まあまあ、取り敢えず、そこの馬鹿の処分をしてから話しましょう。
ちゃっちゃっと済ませますから」
カチャリと物騒な物を懐から出すジルベルトに、其を見ていたジェロームの表情が強ばる
『はい、ストップ!』
何だかこのまま、ジルベルトの流れに任せていたら確実に赤く染まる予感‥‥
繊細そうなジェロームには刺激が強すぎる
『悪いけどジェロームとクライブは外してくれる?
ちょっと込み入った話があるから』
既に顔色が青くなっているジェロームに助け船
「‥‥すみませんバージル様、ジェロームの体調も悪いようなので失礼しても宜しいでしょうか?」
「構わない」
ウィルからの許しを得て、静かに胸を撫でおろしたクライブは深く頭を下げてジェロームを部屋から連れ出した
「お優しい事ですね」
皮肉混じりのジルベルトの言葉に眉をひそめて苦笑い
一々嫌味なヤツ
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