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すると突然、腰回りにふわりとした暖かな人の温もりとギュウッと締め付けられるかのような窮屈さを感じた。
雲雀はギクリと身体を強張らせる。
『……何?』
綱吉に後ろから抱き着かれていて身動きが取れない為、振り返ることは出来ないが、雲雀は一体、どういうつもりなのかとその真意を静かに問う。
『すみません…なんだか、ヒバリさんが泣きそうだなって思ったから…』
『何言って…泣くわけないじゃない』
『ハハ…ですよね…』
俺、まったく何言ってんでしょうね、と綱吉も苦笑する。
解っていた。
自分よりも大人である雲雀が立場やプライドも何も弁えずに泣く筈がないと。
ましてや人前でなんて絶対に有り得ない。
だが、何となくこのまま離れたくなくて綱吉は更にギュウッと力を込めた。
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