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「俺、ヒバリさんのこと好きです」
まるで付き合い当初の頃のような初々しい告白。
これが初めてではない。
今まで何度となく口にして来た。
今更こんなことを言うのには訳がある。
今の自分の気持ちを伝える為に必要だと思った。
そのまま綱吉は苦しそうに自分のシャツの胸の辺りに手を宛て掴んだ。
「好きだから辛いんです。…メールすれば声が聞きたくなって、電話をすれば実際会いたくなるし。もう、俺…どうしていいか解らなくって…」
「あなたの前だと俺、弱くなる。ダメツナがもっとダメツナになる。
俺のこと、こんな風にしたのヒバリさんですよっ?もうっ!どうしてくれるんですかっ!」
まるで雲雀のせいだとでも言うかのように綱吉は訴えた。
そんなことを言われたところでどう責任を取れと言うのか。
言ってること自体が目茶苦茶だ。
綱吉自身も理屈では解っている。
だが、本人を前にすると言わずにいられない。
元々、お互いが惹かれ合い付き合い出したのが発端だ。
会いたい時に会えない寂しさに自分の精神面が堪えられるか否か。
そういった問題だろう。
つまりは自分の忍耐力の無さに負けたのだ。
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