弱音を吐けるのは

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そんな綱吉の様子を終始唖然と黙って見ていた雲雀だったが、ふと彼に見えない程度に微笑を零す。 綱吉は気付かない。 滅多に甘えて来ない彼の我が儘は、自分が彼に本当に好きだと想われている、彼にとって必要不可欠な存在だと実感出来る。 言われた方も言われた方で嬉しいことこの上ないということに。 「おいで、綱吉」 優しい声で招かれてしまえば、ついつい従ってしまう。 飢えた心の寄りどころを求めて。 言われた通りに雲雀の側まで歩いていく。 すると、グイと腕を引っ張られそのまま抱きしめられた。 突然何が起きたか解らず、ドキドキしながらもゆっくりと顔を上げる。 バッチリと目が合い、相変わらずポーカーフェイスを崩さぬ雲雀から余裕たっぷりと不敵な笑みが浮かんだ。 「そんなに僕のこと思ってくれてたんだ?ふ~ん?」 やはり結構女々しいかもしれないと、後になって思い返してみて段々と恥ずかしさが込み上げて来てた綱吉はカァッと真っ赤になった。 .
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