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マスターは、この沈黙を楽しむかのように、口元を歪ませて不気味に笑う。
そして、僕の前で始めて重く閉ざされていた口を開いた。
「その、真相を知りたいのか?それとも俺の推理を聞きたいのか?」
「どちらもです。」
「じゃあ、推理でいいな?」
「ええ。」
僕は、真剣な眼差しをマスターに向けて、答えた。
「じゃあ、こうは思えないか?
その死体は何れも女で、子供を孕んで居たんだと。
その、残忍な殺人奇とやらは何れも妊婦を狙った。
だが、赤子は自ら直接的に殺めた訳では無いから罪の意識も明確では無く死体の総数としては表記しなかった。
これでどうだ?」
そう言うと、男は口角を高々と上げて不気味な程ニンマリと笑う。
男の推理に、僕はずっと悪寒を感じる程の驚愕の中で聞き入っていた。
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