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「でも、これで終わったんじゃ面白くも糞もないから、番外編を付けてやるよ。」
「番外編?」
僕は、そう答えると緊張で溢れそうな程溜まった生唾をごくりと呑み込んで、男の言葉を待った。
「その孕んでいた赤子は、何れも殺人鬼が孕ませたんだよ。
女も子供も大嫌いな男は、ある時に気付いたんだ。
自分が重大なミスをしていた事にな。」
「重大なミス?」
「実は殺めた女の一人が、生前に孕んでいた赤子を産み落としていたんだよ。」
そう言うと、男は僕に向かってニタリと不敵に微笑んだ。
「そして、その赤子は、成長をしながらもこの世界の何処かで息をしながら、男の誤りを嘲るようにして生きている訳だ。
激しい怒りが込み上げた男は、もしも奴に出逢えたのなら、あのエデションナンバーを正確にするためにも、殺めようと誓った。
そして、その日を待ちわびながら男は待った。
ひたすら、待ち続けたんだ。
だか、男は苦悩していた。
何故ならば、男が直接的に奴を見付けて殺めた場合、死体の総数に含めなくては為らない。だが、例外はある。
それは、男にとって直接的に罪の意識が明確でなければいいと言う事だ。」
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