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「いやー…ほんと、彩香も含めて美男美女だよねぇ…」
「ちょっと、やめてよ」
「えーどうして?本当の事でしょ?拓也君が授業に遅れないように迎えに来てくれる松下君…優しいなぁ」
そう言ってうっとりとするクラスメート。
「うん、そうだね。悠紀はあたしが風邪ひいた時にわざわざお見舞いにきてくれてさ。クラス違うのに、『もしかしたら彩香のクラスも今日ここ習ったかもしれないから。今日の分のノート置いとく』って言ってくれたりするんだよ?」
「なにそれー!?松下君、かっこよすぎるよー!?」
「それとね、後は…」
「ってストップストップ!彩香が付き合ってるのは、松下君じゃなくって植嶋君でしょ?松下君の話ばっかりしてどうするの?」
クラスメートが笑いながら冗談っぽく言う。
「あ、そ、そうだね…」
またやっちゃった…。
どうして、こうもあたしは最低なのだろうか。
こんなあたしが、美樹に敵うわけがない。
だから、悠紀の事は諦めるべき。
そして、こんなあたしでも受け入れてくれるたっくんを、あたしも受け入れるべきだ。
頭ではそう分かっている。
だけど、肝心の心がなかなか分かってくれなかった。
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