6人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
カタカタ…
無機質なパソコンのキーを打つ音が響く。
それと同時に、パソコンの目の前にある、赤い液体の入った巨大な試験管のようなものが光った。
その光が部屋を赤く不気味に照らし出している。
「ふ、ふふ…。あと、少しだ…。」
カタカタと打つ音が止まると同時に、そんなかすれた声が辺りに響いた。
と、その瞬間。
ガラン!!!
その音に、パソコンのキーを打っていた男は、素早く振り返った。そこには、1人の少女が立っていた。
少女の足元には、歪んだ通気孔の蓋。 先程の音は、これが落ちた音であろうことが伺える。
「あ、あんた…誰だ!? ここの研究員ではないな…」
「見れば分かる通り、そうよ。」
少女の凛とした声が響く。男は少女をまじまじと見た。
少女は全体的に黒を基調とした服を着ていた。
ノースリーブのコートのような物を羽織り、首には何かのマークをあしらったチョーカーをつけている。コートの中には、紐で固定するチューブトップを着ていて、下には短いパンツをはいている。動きやすそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!