小さな悲劇

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小さな悲劇

「ユリ!」 女の子のようにかわいらしい声が聞こえてくる。 「なんだ?そんなにあわてて。」 振り返ると、黒髪黒眼の少年が立っている。 走って来たのか息が荒れている。 「・・・・がせっ・・・・・・・・て」 呼吸が上手く出来ないらしく、よく聞き取れない。 「落ち着け。ゆっくりでいいから。」 背中を擦りながら言うと少年は首を振りすうっ、と息を吸い込む。 「軍が・・・・・・・・スワール国軍がっ・・・・!」
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