小さな悲劇

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母が亡くなったのを見つけ、泣いていると大人逹が入って来る。 家は荒らされ、とりつぶされた。 お金は全て、巻き上げられた。 母の遺体は、川に捨てられた。 ―――隣近所の大人逹に 『やめてぇ! 何でこんなことをするの⁉』 溢れる問い。 何で? わたし、悪いことした? わたし、嫌われているの? 何で?何で?何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で その答え 『黙れ! 忌み子のくせに!!』 わたしの父親が、王族だから 悲しい 悔しい 憎い 町を出て、歩き続けた。 何をすればいいか分からない。 だって、生きる理由が、もうない。 おかあさんが、いない。 ただただ、歩き続けた。
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