罪深きモノ

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次の日、窓から差し込む光にフィーアは鉛のように重たい瞼を引き上げ、小さく呻きながら昨夜の殴打で傷付いた身体をベッドの上に起こした 「つっ…!!うぅっ…」 ベッドと最低限の荷物しかおかれていない粗末な部屋を見まわし、それから、自分の痩せ細った腕を見下ろした その腕は所々赤黒く腫れ上がっており、本来ならば白く美しいであろう指も腕同様に腫れ上がり見る影もない 「ははっ…、酷いアザね…」 軋むような痛みから全身同じような状態なのだろう だからっといってこのままぼうっとしていては仕事に遅れてしまう 仕事をしなければお金は入ってこない。そうなれば、また父に殴打されるのはわかり切った事だった 「くぅ…っ」 少しでも動けば鈍い痛みが全身を駆け抜けるが何とか服を着替え終えると、鏡を見た
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