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そこには抜ける様に白い肌を持つ、肩の所で切り揃えられた凪いだ海のように淡く波打つ髪と、晴天を彷彿させる鮮やかな水色の瞳をした娘がいた
本来ならば美しいと評されるであろう姿も理不尽な暴力によって白い肌赤黒く染め、疲労と栄養不足から目の下には薄っすらとクマが出来ている今はだれもその事には気付かない
「ははっ…、ホント…酷い顔…」
自嘲する様に暗く嗤うと何かを振り切る様に頭を振り、仕事に向かうべく家を出た
家を出た途端、土ぼこりの下町の喧騒と眩しい光がフィーアに届く
麦や野菜、魚などを売るものにそれらを買うべく瓶や鞄を片手に賑やかに喋りながら子供の手を引く主婦
そんな一見平和な姿に不釣合いな武装した男達の姿がチラホラ見える
フィーアが暮らすアルトリアは長い繁栄を誇っていたが、ここ数年は隣国のナルディア帝国と戦争を続けていた
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