モンスター
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コンクリート壁にさっと影が動いたような気がしてボクはすくみ上った。 恐る恐る顔を向ける。 気のせいだったようだ。 あらためて足を踏み出す。 ヤツに見つからないよう、物音をたてないように。 だけどできるだけ急いで。 もはや人のいなくなった街はそれ全体が墓場のよう。 夜の暗闇に浮かび上がるビルたちには、そこかしこに人間ではないものが潜んでいるように思える。
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