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人の話はちゃんと向き合って顔を見ながら聴こう。って大事なことを。
多分ニノの母ちゃんは小っちゃい頃のニノに教え忘れちゃったんだと思う。
俺の座ってるチェアと差し向かいで置いてあるソファにだらしなく寝っころがってるだけならまだしも。
会話しながらゲームする癖。何とかならないの?
それでも俺の方が知恵を借りたくて来てるわけだから、余り態度の事では文句は言えないと思って我慢してるのに。
「――まあ…まず貴方じゃムリですけどね?」
アイダさん、と。結局は失礼な前置きをしてくれちゃったニノに。
「ムリだと思うなら俺でも無理じゃないようにしてよ」
って、年下相手にゴネた。
「どうしてオレが其処までしてあげなきゃいけないんですか…」
それにエルを騙すなんて恐ろしいことに加担させられるのは。後が怖いしまっぴらゴメンですね。
「騙すんじゃないよ!!ちょっとびっくりさせるだけだよ…」
「何時からエイプリールフールは『ちょっとびっくりさせる日』にヒヨったんですか。――騙してナンボでしょ。男ならガツンてやれよ」
でもエルが相手なら俺はこのヤマからは降ろさせてもらいますから、アイダさん独りでやってください。
「だからそれでいいから教えてよ…」
そう。俺は今年のエイプリールフールでルン君に仕掛けるネタを探して。とりあえず悪戯と言えばニノだよね…と簡単に教えてもらおうと思ってたのに。
交渉は意外にも難航した。
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