628人が本棚に入れています
本棚に追加
/412ページ
『――なぁ颯君…何回だったらいいんだよ』
1回じゃ足りねえよ…最低でも2回。それでも足んないぞ。ってサトリ君は不満そうに唇を尖らせるから。
『あのね、回数の問題じゃないのサトリ君。――ALL or NOTHING(全てか無か)なの。解る?リピートアフターミー。おーる、おあ、なっしんぐ』
おーる、おあ、なっしんぐ。と腕の中で俺の言葉を繰り返すサトリ君が余りにも可愛くて。
こんな提案をした俺だってめげそうになる。
『解ったよ…。じゃあ、今夜が最後なんだろ?』
次が何時か解んないくらい先なら、今夜は俺の気が済むまで颯君のこと眠らせねえぞ…って呟くサトリ君をゆっくり抱きしめたら。
腕の中の、適度に筋肉のついた綺麗な背中は、のびやかに弓形を描いた。
『ぁ…』
溺れるようにまた深く繋がり合う。
指も、脚も、吐息交じりの声も、何もかも絡め合って融けていく。
――サトリ君の中は温かくて。
疲れてるはずの身体で、それでも俺を何処までも欲しがってくれるんだから、どうしようもなく、愛しい。
『ん…っ、そう、君…』
『サトリ君』
一番奥まで潜るように、思い切り腰を進めたら。
限界まで入ってたと思ってたサトリ君は、更に潜ってきた俺に微かに喘「お――――――ぅい!!」
遠くから聞こえてくる俺への呼びかけの声とともに、
後ろ頭を叩かれる衝撃で、首が前にガクリとつんのめった。
「いでッ!?――は…!!」
しまった。15分休憩でちょっと仮眠を…と思ってた俺は。今日一緒の仕事だったニノに。丸めた台本で思い切りシバかれて叩き起こされたことに気づいた。
「此処はドコ!?私はダレ!?とか言わせませんよ颯さん。しかも『夢オチとか最悪、最後までイかせろよ』とか思ってたら、もう二度と寝言言えないように、失神させるくらいぶん殴ってあげますよ?」
なぁーにが、『りぴーとあふたーみー』ですか!!って。ニノはまたぎゅ、って台本を硬く丸め直して振りかざしたから。とりあえず腕で防御しながら。
「なああああ\(゜ロ\)(/ロ゜)/!!!!聞いてたの!!聞こえてたのニノ!!!」
「バカですかアナタ。俺だってお父さんとお母さんのピロートークなんか聞きたかないっての」
アナタ他で寝てる時にやっちゃダメですからね!今直しておきなさいよ!ってこっぴどく叱られた。
最初のコメントを投稿しよう!