キラーチューン(颯×サトリ)

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 今日の相方のアイダちゃんと2人で入りの楽屋で呼ばれるの待ちながら。 鞄から取り出した新聞各紙を机に並べてから、右から順番に読んでいたら。 「…颯ちゃん」 テーブルの向かい側で両手で頬杖ついて俺の事眺めてたアイダちゃんが声をかけてきた。 「んー?」 「――よく続くねぇ…、禁欲生活」 ニノから聞いたよ?俺だったら1週間でも我慢できないけどね。なんて。アイダちゃんに変なトコロで関心された俺は。 「もう2か月だよ?――俺頑張ってるだろ?」 って答えるしかない。 「颯ちゃんはまだいいよ。――自分で何とか出来るんだからさあ」 まだこの話題を引っ張ろうとするアイダちゃんに。 「何だよ自分でって…」 「溜まってもひとりで逝けちゃうでしょ?って事」 ―――昼間っから何て話してんだ。ハイハイ、って適当に返事しながら、経済紙の活字を追って捲る。 「―――後ろを知っちゃってる方はね…大変なんだよ。独りでするの、凄く難しいの」 内容は生々しいのに。余りに真剣な声でアイダちゃんが言うから。思わず顔を上げた。 「疲れてるところに毎日のようになんて、何やってんだって颯ちゃんなら思うかもしれないけど。ホントは――俺のためだって解って、ニノもしてくれてる事だからね?」 「それはアイダちゃんとニノの話だろ?――今回サトリ君台詞覚えも演技も大変だって言ってるし。俺の事で負担掛けたくないんだよ…。サトリ君と一緒に居ると、多分俺、我慢できなくなるから」 アイダちゃんは相変わらず頬杖のまま俺の事じっと見て。諦めたように溜息をついた。 「だからぁ…――それでいいんだって」 「良くねぇだろ全然」 「あのね颯ちゃん…」 頬杖はずしたアイダちゃんが何時になく不機嫌そうに立ち上がる。 「なんだよ」 これ以上続けたら、久々にアイダちゃんと喧嘩になるだろうって何となく感じ始めたら。 『――失礼しまーす!!』「衣装合わせとリハお願いします」 スタッフがしてくれたドアのノックの音が天の助け。 「「はーい」」 開いたドアの隙間から顔を突っ込んできたスタッフに、何時もの条件反射で2人で笑顔で返事を返して。 この話は有耶無耶なままで終わってしまった。
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