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今日は久々に5人の仕事で。一番乗りした楽屋で何時もどおりに新聞各紙をテーブルに並べ始めてたら。
聞こえるか聞こえないかの弱弱しいノックの音の後で入ってきたのは。
「はよーございまぁ…す」
力ない声に、思わず顔を上げて相手を確かめる。
「はよー、アイダちゃん。――大丈夫?」
アイダちゃんもサトリさん同様、ドラマの撮りがいよいよ佳境なはずだから、忙しいはずだ。
「ん?――へーきへーき。今日殆ど徹夜で撮影したってだけ。ちょっと始まるまで寝ててもいい?」
ドアから真っ直ぐにソファに向かって行ったアイダちゃんは、そのまま横になった。
「―――ねえ、颯ちゃん」
「ん?どうした?」
休みたいだろうから、余り話しかけないようにしようと思ったのに。
「――やっぱり俺。こないだ言った事撤回する」
突然宣言したアイダちゃんに。
「アイダちゃんの失言多すぎてどれだか解んないんだけど…何時の事言ってるの?」
って、本当にドレのことか解らなくて、真面目にそう尋ねたら。
「颯ちゃんとリーダーがもう2か月以上してなくて、大丈夫なの?って話」
そう言えばこの間、そんな話してる途中で有耶無耶になったよな…。
「撤回するって…――」
「にのがリーダーと仕事したときにね?『ビックリしたよ…あの人何だか、怖いくらい綺麗になってた』って言ってたよ?」
俺も久々に会うから、ニノが驚くくらいの「キレイなリーダー」が楽しみなんだけど。
会えない時間が、何かを育てちゃうことって、歌じゃないけど…あるんだねぇ。なんて。口調が明らかに眠りに落ちる寸前の緩さにスローダウンしてきている。
「お前等気づくの遅い。――サトリ君がキレイなのは、最初からです」
って言いながら。昔ニノとサトリ君が付き合ってるわけじゃなかったけど凄く仲良かったの知ってるから。
ニノがしたって発言にペン持った手が震えるくらい動揺するけれど。
怖いくらいキレイになったっていうサトリ君に、早く会いたいと思う自分も居て。
「――アイダちゃん?」
リスポンスが無い、って思って顔を挙げたら。ソファの肘掛を枕にして横になってたアイダちゃんは。口半開きですうすうと寝息を立てながら眠ってしまっていた。
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