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「待って待って、私は今はこんな姿だけど、神だよ? 君を転生させた神だからね」
「そういえば……どことなく雰囲気が似てるような……」
手を離す前に、神と名乗る鳥はするりとリンの手からすり抜ける。
「神がどうしてこんなところにいるんだ?」
リンの疑問はもっとものことだろう。多世界を統括する神は、なにかと忙しい筈なのに、たかだか人一人のためにここに来るのだから。
「いや~、いろいろこの世界についてや君の能力について教えようかなぁ~と思って」
“能力”という単語に反応するリンを見て、満足なのか頭を縦に振っている。
「それじゃ、これを見て」
羽を羽ばたかせた神の前に、空間に投影された一枚の写真が浮かぶ。どうやら、地図のようだ。
「これって……」
「そそっ。これはゼムリア大陸西部の地図。そして……」
君がいる場所はここ、と首都グランセルより西にあるところを差す神。
「……どうしてゲームの世界に俺を?」
「なんとなく……だよ。この世界は、英雄伝説空の軌跡をモチーフにした世界でね、主にゲーム通りにストーリーは進むけど、君というイレギュラーがある以上、ストーリーを変えることが出来るんだ。……その代わり、その後の展開が読めなくなるけどね」
「……なるほどね。……それで、俺の能力って?」
「既にある能力は後で教えるとして……。君が欲しいと思った能力なら一つだけ叶えてあげるよ。……ただし、不老不死とかはなしだからね。世界の理を壊すことになるから」
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