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「警察だ!動くなっ!!」
そう怒鳴り、20人ほどの男たちの前に飛び出す。
男たちは20人でよってたかって、1人の男をなぶり殺しにしようとしていたのだ。
手には日本刀を帯びていて、それで囲まれている男を殺そうとしていたらしい。
それを見た瞬間、珠子…葛川珠子(クズカワタマコ)巡査はなりふり構わずに、正義感の赴くまま…男たちの前に飛び出したのだが…
男たちは“警察”という言葉に驚く事なく、逆に珠子に向かってきた。
やむを得ず、珠子は構えていた拳銃で男たちの足元に威嚇射撃をした。
―バゴンっ
爆音とともに、男たちの足元の地面が吹っ飛び、火薬の匂いがあたりに立ち込める。
この時の珠子は必死だった。
応援も来ない、携帯も繋がらない。
つまりはたった一人で男たちと対峙し、あわよくば男たちを逮捕しなければならない。
だが今は、一人で20人の男を逮捕するよりも、囲まれている男の命…人命を助ける事が最優先事項だ。
足元に銃弾を受けて怯んだ男たちをとにかくこの場から追い払うため、珠子は咄嗟に芝居を打つ。
「こちらです!早くこちらへ!」
と、珠子は自分の背後に向かって声をかける。
そして左手を上げて、手招きするような真似をした。
「……っ!援軍かっ!?」
案の定、男たちは珠子の芝居に騙されたらしい。
次第にジリジリと後退し始めた。
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