金髪ドリルといえばワタクシでしてよ。

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 かんかんに怒ったガブリエルは、「アンタなんかに頼らんで自分で買えば良かった!!」と捨て台詞を吐いていくやいなや、暗くなりかけの街へ飛び出していきました。  初めてだというのに手厳しすぎですの。まあ、完璧主義のあの子からすれば当たり前の事なのかもしれませんね。そんな事を思いながら、愛犬のドギーと遊んでいると、突然ワタクシの携帯から着信音がなり始めました。 『着信 マーカス・バレッタ』  マーカス……同僚からの電話とは珍しい。何かあったのかしら。そう思い電話を取りました。 「もしもし」 『緊急の要件だルシーナ。今、近くに人はいるか?』 「いえ、居ませんが」  その返事を聞いて安心したのか、同僚は何時にも珍しく単刀直入に切り出しました。 『悪魔が出た』  少女の顔は一変する。  時は少し経ち、辺りが暗やみに包まれようとしている時刻。  普段若者で溢れる学生街には不穏な空気がほとばしっていた。そんな中、金色の長髪を縦に巻いた少女は、真剣な面持ちで目の前の惨状を睨みつけていた。
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