突撃、隣の悪魔さん

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 お互いが隙を探り合いながらの均衡状態となっている頃、ルシーナの前方に喜ばしい光景が写る。 『燃え盛る、業火ァ!!』 『貫け、氷柱雨』  悪魔の体が金属片を簡単に溶かす程の炎に包まれた後、今度は四方から鋭利に尖った無数の氷柱が雨のように降り注ぐ。これだけでも普通の魔物なら一溜まりもない。  さらに、駄目押しと言わんばかりに炎により急激に熱された冷気と大気が炎により強制的に反応する事で……  ズバアアアアアアアアアアアアアアン  対象物が木っ端微塵になる程の大爆発が発生した。踏ん張らないと吹き飛ばされていまいそうになる衝撃波がその威力を物語っている。  『隙が出来た、今だルシーナ!!』  仲間の声に反応したルシーナが爆発して煙に包まれている場所に向かい詠唱を唱え始めると、前に現れた魔法陣が眩く光り輝きながら急速に中心へと収束された。  『-紅式カノン-』  刹那、紅い一筋の光が煙を貫いた。  虫が潰されたような奇妙な悲鳴をあげながら、遂に悪魔の命は潰えたのだった。
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