突撃、隣の悪魔さん

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 あの後、ワタクシは、自身の所属するネストリア教団本部へと戻り、回収した悪魔の死体の解析をしていました。  紅式カノンによって貫かれた悪魔が煙の中から現れる頃には既に絶命していて、腹部には巨大な貫通痕が残っていました。紅式カノンもまた規格外の威力を誇っていると言えます、当たり前ですが。  が、改めて絶句する光景が。  悪魔の死体には貫通痕とグラン・レオによる傷以外何一つ外傷がないのです。 「……クソ、やっぱ悪魔には魔法は効かなかったか」 「どうやら、悪魔に魔法が効かないのは共通スキルみたいだな。有り得ねえよ……ホント」  現場でサポートしてくれた二人の教兵が死骸を見てうなだれたように呟きました。そう、悪魔には何故か魔法が一切通じないのです。  そもそも悪魔が現れた事態突然でした。つい最近の事です。何の編他(へんてつ)もない田舎町の上空に突然巨大な扉が現れたのです。扉がゆっくりと開いた後、隙間から数体の奇妙な生物が降り注がれました。  それから地上に降り立った悪魔の群れが狂ったように雄叫びを挙げた後、  僅か一時間足らずで一つの町が消えました。  勿論、警備が手薄ではありません。田舎とはいえ訓練された自警団がそこらに現れる魔物を倒すのに手間はかからない位の力は身につけている筈。  それでも、遂に悪魔を倒すことはありませんでした。  魔法が通じない、それは人間が魔物に対抗できる手段が無くなったのと同じ位恐ろしい事態なのです。  疲れきった雰囲気の中、お互いに黙り込むことしかできませんでした。  そんな時でした、追い討ちを掛けるように事態が発展したのは。
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