突撃、隣の悪魔さん

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『緊急出動要請、団員は速やかに一階広場に集まれ』  突然呼び出されたワタクシ達は死体の調査を中断せざるを得ず、慌てて広場へ集合するハメになりました、もう、今からが大事な所だと言うのにッ。  呼び出されたワタクシ達は、目の前に佇むベレー帽に迷彩柄の服が特徴の大男に目を向けました。男の名はネストリア教団本部教主、グレゴリア・マッカーサー。彼こそがこのネストリア教団の創始者であり、リーダーなのです。  マッカーサー……チーフが威厳のある重低音の声で皆に伝える。 『悪魔が現れた』  またですか!?  何時もなら一日に数体は出ても、一度にしか現れないはず。  なぜなら、現れてまだ一年程しか経ってないですが、発生パターンはその間変化が一切も無かったのです。が、それが突然起きてしまった。団員達も動揺を隠す事が難しいのか広場の雰囲気は暗雲に包まれました。 『狼狽えるなァ!!』  瞬間、ミサイルのような怒号が団員らに突き刺さる。 『偶然、もしくは理由があったのかは現時点では解らない。だが起きてしまった以上私達は全力でこれらを阻止せねばなるまい。 我らは何のために生まれた?』  ネストリア教団の一員なら誰でも知っている問いが教兵達の消えかけた闘志に火をつけました。 『誰が為に、万人の為に!!』 『何が為に、世界の為に!!』 『我らは何だ、ネストリウス。世界のあらゆる混沌を消し去る聖なる騎士!!』  広場が喝采に包まれる。この場の全員が結束した瞬間だった。
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