4*東雲さんと海

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「そ…それはどういう…」 「別に涼介なんかのせいでここまで面倒なことにはならないでしょ」 ズバッと京に言われて、顔が引き攣る。 「んなっ……」 「だって本当の事でしょ。それに亜子ちゃんも愛佳ちゃんも、そんな弱い人じゃない。」 「…!」 その通り、かもしれない。 「それにね、亜子ちゃんの方には俺の自慢の彼女がついてるんだ。亜子ちゃんはきっと有沙の言葉で強い心を持てる。だよね?」 いつものように眠たそうな瞳は変わらない。だが口元は笑っていた。 思わず、笑いが零れた。 「…はは」 「えー!?ここって笑うとこ!?俺ね、結構かっこいいこと言ったと思うんだけどー」 「…、お前どんだけ自分の彼女に自信持ってんだよ」 「えっ、だって本当のことじゃん。」 「…まあ、そうだけどさ」 俺は微笑む。 「…有沙なら、東雲さんを元気付けてくれるよな」 その時。 「…あ、噂をすれば。」 京が向こうを指差す。その指の先には… 「おーい」 有沙と東雲さんが立っていた。 「あいくんといのくんがね、焼きそば買ってきたから皆で食べようだってー」 「あ、あいくんっていうのは祐樹のことで、いのくんは井上くんですよー!」 大声で叫ぶ有沙の横で、東雲さんが必死で名前を訳す。 彼女の様子は、いつもと変わらず元気そうだった。 「うん、わかったー」 珍しく大声で返事をした京が、こちらを向いてにこっと笑った。 「俺の言う通り、でしょ?」 俺は笑った。 「…ああ、そうだな」
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